LOST PROPERTIES

明かされる真相

「河豚(ふぐ)!?」

　お巡りさんは発泡スチロールの箱の中から一匹の河豚を取り出した。丸々と腹を膨らませた大きな河豚だった。

「なるほど！　あの膨らんだ腹の中にピストルを隠して密輸したんだ！」

　真昼野譲二は興奮して言った。なるほど、あの腹の中にピストルが……。

「おい、誰かナイフ持ってないか？　中を調べる」

　お巡りさんが他の警官に聞いた。そのうちの1人がポケットからナイフを出しお巡りさんに手渡した。そしてお巡りさんが河豚の腹を切ろうとした時だった。

「やめろ！」

　町内会長の息子がお巡りさんから河豚を取り上げると懐から出刃包丁を取り出した。

「銃刀法違反だ！」

　お巡りさんが近付こうとすると息子は包丁を振り上げた。

「親父！」

　真昼野譲二は車から飛び出しお巡りさんの方へ走って行った。俺もつられて走った。

「譲二、それに……探偵さん」

　お巡りさんは真昼野譲二を見て驚き、俺を見て呆れていた。ふと周囲を見ると既に警官たちが町内会長の息子に狙いを付け、ピストルを構えていた。