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俺と真昼野譲二は猫のケージへと向かった。ギュウギュウに詰め込まれた猫たちはニャーニャーと哀れな声で鳴いていた。しかしそれよりもその半数の猫が異様に太っていた。いや、腹が膨らんでいた。
「これは……、中に宝石が……」
俺と真昼野譲二は目を合わせた。真昼野譲二の推理通りならこの猫たちの腹の中には宝石が入っている。
「中身は何だ?」
お巡りさんが他の警官に聞いた。
「やめて下さい!」
俺は思わず猫のケージに覆い被さった。腹の中を調べるために猫を捌かれたら可哀想過ぎる。何としても止めなければ。
「そこをどきなさい」
「嫌だ!」
「調べない事には終わらない」
「駄目です! 猫を捌くなんて駄目です!」
俺の目から涙が溢れてきた。そこへ真昼野譲二もケージをブロックしに来てくれた。
「親父、いくら警察でもやって良いことと悪い事がある。動物愛護法違反だ、器物破損だ!」
俺たちと警察の睨み合いが始まった。
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