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「サーシャさんはお刺身食べた事あるの?」
「私は日本長いから大好物よ。でも河豚は食べた事無いわ」
「ロシアにはお刺身無いんですか?」
「ロシアは大陸でしょ? 海の魚なんてしっかり火を通した物じゃなきゃ怖くて食べられないわ」
「ああ、ロシアは大きいですからね」
そんな話をしていると大皿に綺麗に並べられたふぐ刺しが運ばれて来た。
「うわ〜、キレイ。お花みたいに盛り付けられてるのね」
「本当〜。でも薄〜! お皿の模様が透けて見えてるじゃん。この店ケチってる!」
「違うよ美代子、河豚っていうのは固いんだ。普通の刺し身の厚さじゃ噛み切れないんだ」
「そうなの?」
「じゃあ早速食べてみましょうか」
食べる前にお巡りさんの退職のお祝いの乾杯をした。乾杯のお酒は河豚のひれ酒だった。
「いっただっきま〜す! ん! 美味い!」
美代子は大喜びだった。
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