再会

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「そういえば有紗、裕樹君も今日来てるけどもう会った?」  ちくりと胸が痛んだ。 「え、そうなんだ。いやまだ会ってないけれど」  自分でも意外なほど動揺したけれど、目の前のサワーを煽って、何でもないように平静を取り繕った。  友だちが指す方を見れば、そこには裕樹がいた。あの頃と何も変わらない。時にへにゃっとした笑顔を見せながら友だちと笑いあっていた。 「あんなに仲良かったのにね」 「二人は絶対付き合ってると思ってた」 「挨拶位してきなよ」  勝手なことばかり。無神経な言葉に正直腹は立ったけど、これも私が自分がそう振舞ってきたからなのだろう。私は面倒だったけど、何でもないことのように言葉を躱していた。  だけどお節介な友だちの一人が名前を呼んでしまい、そのとき裕樹と目が合った。合ってしまった。  裕樹は嬉しそうにこちらを見ながら手招いている。こういう無神経なところも昔のままだ。こうまでされたら無視するのもおかしな話。私は渋々裕樹の元へ行くことにした。
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