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遊園地なんて大嫌い
来なければいいのに。
遊園地当日。空を見上げればこれ以上ないってくらいいい天気。私は眩しすぎる太陽を、恨めしい気持ちで睨んでいた。
裕樹はそばでそわそわそわそわして鬱陶しい。私は引っぱたいてやりたい気持ちを必死で押さえていた。
するとそこに「遅くなってごめん」とあの子がやってきた。
丈長めの花柄ワンピースがちょっと大人っぽくて可愛い。あれ、こんな顔してたっけと思って見れば、うっすらと化粧をしてるのがわかった。
一方私はデニムにシンプルなボーダーのトップス。可愛いかなと思って買ったハットが、逆に子供っぽく思えてぎゅっと握りしめた。
「いや全然待ってないよ」
はしゃいだ声を聴けば、顔なんて見なくてもわかる。こいつ、嬉しそう。私の格好を見たときなんて何も反応しなかったくせに。私の中で殺意が芽生えた。
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