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デートは順調。始まってみれば心配したのがバカみたい。二人とも楽しそうだ。昨日散々電話でシミュレーションした時間を返してほしい。それでもちょっと楽しかった私は本当にバカだ。
よかったね裕樹、うまくいきそうで。
ちょっと涙が出そうだったけど、裕樹とあの子が楽しそうに笑っているのを見ると、それでいいような気がしてきた。うん、これでよかったんだよね。
二人がジェットコースターに乗るというので、「ちょっと休憩したいから」と残った。もちろん邪魔者の大吾は無理やり引っ張って付き合わせた。
「なぁお前、いつまでこんな関係続けんの?」
ぐったりとベンチに座り込んでいると、隣に座っていた大吾がいきなりそんなこと言ってきた。あ、こいつもいたんだった。私はじろりと睨んでやった。
不機嫌そうな顔。
思い返して見れば、今日はずっと不機嫌そう。付き合わされるのがイヤなら断ればよかったのに。
「言えるわけないじゃん」
私が前を見ながらやっとの想いで言うと、大吾は呆れたようにため息をついた。何こいつ。
「いつまで悲劇のヒロインぶってんの?
このままじゃあいつら付き合っちゃうよ。お前それでいいの?」
知ったようなクチきいて。私は私の中で感情が爆発するのがわかった。
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