放課後スタート

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 翌日、私は実行のために放課後の教室で6時になるのを  終始ニヤニヤしながら待っていた。  「もうすぐ、もうすぐ6時……フヘヘッヘヘヘ」  今冷静になって思い返すと、  待っている間の私は正直気持ち悪かったと思う。  人が来なくて助かった。 ホントに。  そうして待ちに待った時間が来た。  6時だ。  息を吸い込め。 腹に力を入れろ。 毎年恒例地獄の合唱練習の時よりも。  そして人生最後になるかもしれない叫びを!  「おっうまっがさぁーん!!! お話ししぃましょぉぉぉぅ!!」  半分奇声に近い叫びだった。   ホント、この時のテンションはクレイジーの一言に尽きる。  「……出てこないなぁ」  教室はシーン……と静まり返っている。  突然女の子が出てくるどころか、怪奇現象すら起きない。  やはり七不思議なんてただの作り話だったか。  「……念のためもっかいやるか。  スゥゥゥ    おっうまがs」  「だぁぁぁァァ!! やかましいんじゃ!  1回で聞こえてるよドアホ!」  急に聞きなれない女子の声がした。  まさかっ、と思って声の方を確かめると、そこには確かに  おかっぱ頭の女の子が立っていた。  勿論、同級生どころか学校におかっぱ頭の女子は見たことがない。  しかもよく見たら足が地面から3㎝程浮いている。  つまり……  「えと……逢魔がさんですか?」  「そうだけど……何か文句でもある?」  出会ってしまった。 七不思議に。  
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