第1話 気付いたら俺は女子高生だった

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だが、それから数ヶ月後のある日、俺は政権を取った気の緩みから何時もの発作を起こしてしまった。 ある大学生とのイベント討論会での出来事だった。 某大学の文化祭で行われた大ホールの壇上に立つ俺はある、冴えない眼鏡の陰キャ学生からの質問のせいで俺の人生は狂いやがった。 「総理に質問です。不景気の世の中、結婚できない若者がいます。少子化対策を教えてください」 なんだコイツは? 自分の欠点でモテないことをわざわざ内閣総理大臣である俺に聞いてくるか? これこそ愚問だ。今日はマスコミがいないから若造に世間の厳しさを教えてやるぞ。 それにしても、イラつくな…… プロ野球でいう人生戦力外通告野郎は説教だ。 眉を吊り上がらせながら何度も革靴のかかとをトントンと音を鳴らせながら聞いてやると遂に発作が起きてしまいこいつに現実を突きつけてやった。 「あのな…… そういう奴は結婚するな。俺は一応財閥だから金はあるから問題ないぜ」 「お前は野球でいう二軍以下だ。いいかキチンと納税をしてから俺たちに文句を言えガキ共」 スカッとした俺はドヤ顔でそいつを指さしながら説教をしてやった。これでまた俺の人気はうなぎのぼりだと確信したが…… その場にいた奴らは顔を引きつらせて蜘蛛の子散らすように出て行った。 だが、誰かがイベントをスマホで盗撮していやがった。次の日からあんなに懐いた子猫の様に接してきたマスコミどもが凶暴なドーベルマンの様に歯をむき出しにして噛みついてきやがった。 連日俺の失言を何度もオウムの様に同じことを言いやがって。
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