第1話 気付いたら俺は女子高生だった

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「おい、家に行く前に、寄って欲しいところがある」 「首相官邸ですか? 」 「違う‥ その‥ 女子が好きそうなお店だ。例えばぬいぐるみとか‥ 俺にこれ以上言わせるな」 俺は女の事は解らん。こういう時はコイツに頼るしか無い。俺が珍しくモゾモゾと落ち着かない様子で話しているととっさに空気を読んで 「先生、任せてください」 小竹向原はニコッと助手席に座る俺にウインクをした。感謝する気持ちと同時に 「前を見ろ! 」と叫んだ。 だが、小竹向原は、何度も後ろを付いてくる黒のワゴン車を気にしていたのか何度も落ち着かない様子で振り向くと 「先生マズいです。週刊文秋の記者です」 「何だと…… あの野郎、金魚の糞みたく着いて来やがって。全く何で俺はああ言う変態にモテちまうんだ」 「先生掴まっていてください」 奴は眼鏡をクイッと人差し指であげると人が変わったかのように映画のスタントマンのような運転を披露した。 ハンドルとギアを素早く動かし、うなるエンジンとタイヤが擦れる音に不快感を示した。 ギャルルルルー コイツ絶対に事故を起こすぞ‥
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