第1話 気付いたら俺は女子高生だった

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だが、深夜の甲州街道をアクセル全開で飛ばし、何度も信号無視やドリフトを繰り返しやがった。 「うひょ~ めっちゃ気持ちい。実は私ハリウッド映画のカースタントもやっていましたから大丈夫です! 」 「うえ~気持ちわりい~ 」 この時の小竹向原は、スパイ映画のヒロインと重ね合わせていやがった。俺はこの馬鹿のせいで既に口からバズーカを噴射寸前だった…… 乱暴な運転をしてから10分が経過して、何とか奴らを撒くことに成功した。 その後無事に閉店間際の女子に大人気という、キャラクターグッズのお店に到着した俺は、富士急ハイランドの絶叫マシンのような運転のせいで、俺の口はナイアガラの滝になった。 不安げな表情で俺の背中を小竹向原が優しく擦った。俺は取りあえず、震える手で1万円札を奴に渡した。 「取りあえず、今時の女子が喜ぶ可愛いぬいぐるみでも買ってきてくれ」 「はい、うふふふ、先生もお揃いで買いませんか? 」 「いらんわ! 俺の高貴な人間性を疑われる! それと‥ ラッピングとバースデーカードも忘れるなよ」 「わかりました」 小竹向原は笑顔で軽く敬礼をしながらお店の中へ入っていった。これで娘へのプレゼントを買うことができた安堵感から気が緩んでしまい‥ 「うえ~ 気持ち悪い。発射10秒前だ」
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