<1> 神様も忙しいよ

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 酔いに酔った神々に絡まれながら、新参の神は願いの紙を仕分け続けた。 「これはボツ、こっちは叶える。これは来年に持ち越しで……」  分けても分けても減らない願いと、一向に働かない神々に、新参の神は嫌気がさした。 「もう無理だっ! 先輩方、助けてくださぁい」 「大丈夫じゃ。出来とる出来とる」 「そのまま続けるがよいぞ」 「くっそ〜。少し前は『雨』だの『豊作』だの、わかりやすかったんでしょうね、羨ましい……」  ジトリ。  新参の神は、赤ら顔の神々を横目で睨んだ。 「いやいや、願いは予測不能がよいぞ!」 「そうじゃな! 酒がうまくなる!」 「そうじゃな」 「そうじゃな」  がっはっはー!  古参の神々は喉で笑って、そのままコテンと眠ってしまった。
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