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酔いに酔った神々に絡まれながら、新参の神は願いの紙を仕分け続けた。
「これはボツ、こっちは叶える。これは来年に持ち越しで……」
分けても分けても減らない願いと、一向に働かない神々に、新参の神は嫌気がさした。
「もう無理だっ! 先輩方、助けてくださぁい」
「大丈夫じゃ。出来とる出来とる」
「そのまま続けるがよいぞ」
「くっそ〜。少し前は『雨』だの『豊作』だの、わかりやすかったんでしょうね、羨ましい……」
ジトリ。
新参の神は、赤ら顔の神々を横目で睨んだ。
「いやいや、願いは予測不能がよいぞ!」
「そうじゃな! 酒がうまくなる!」
「そうじゃな」
「そうじゃな」
がっはっはー!
古参の神々は喉で笑って、そのままコテンと眠ってしまった。
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