<3> 神様も反省だよ

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「新参の神よ、出雲大社には新たな願いがたぁんと届いておる。そちは早く戻りなさい。この部屋にある願いは私が送るから、眠らせた神々を起こしておやり」 「はい……」  新参の神は項垂(うなだ)れながら、白い煙の中に消えてった。 「ふぅむ、やれやれ」  大国主様から怒気が消え、少年は布団から顔を出した。 「さてさて、よっこら」  大国主様が杖を振るい、願いの紙を集め始めた。紙はひらひらと舞い、煙に吸い込まれていく。  紙が全て消え、大国主様が煙へ一歩踏み出した時、少年は慌てて声をかけた。 「待ってよ! 俺を人間に戻していけ! ください!」 「うむ? 何を言っておる、そちは人間じゃろう」 「へ? 俺、神じゃないの!?」
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