お化け屋敷への誘い

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 噂のお化け屋敷とは、通学路の途中にある洋館のことらしい。古いが大きなお屋敷で、かつては大金持ちの一家4人が住んでいたようだ。  だがあるとき家に強盗が入った。親は殺され、子どもはその後行方知らずという噂だ。  家は寂れ、所々崩壊している。危ないから決して近寄るなと、親からきつく注意される、そんな場所だった。  当然門扉は固く閉ざされている。ところがケンちゃんはそんなこと気にすることなく、慣れた様子で防護柵に沿って歩いていくのだった。  僕が仕方なくついていくと、ちょっと目を離した隙にケンちゃんがふっといなくなってしまった。驚いて辺りを見渡す僕。すると突然腕を掴まれた。 「わっ」これにはさすがに思わず声を出してしまった。するとケンちゃんが笑いながら草むらから出てきた。どうやらこの中に隠れていたらしい。そのまま引っ張り込まれると、柵の一部が壊れているらしく、ぎりぎり子どもが入れる隙間があった。
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