ケンちゃん

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 部屋の中には照明など一切なかった。ごみごみと物に囲まれているのがわかる。恐る恐る周りにあるものを触れてみると、つるつるとしたガラス瓶のようなものに手が触れた。  何だろうと目を凝らすが暗くて見えない。とそこで、やっと僕はスマホを持っていることを思い出し、ライトをつけた。  ぼやっと辺りが照らされる。  そこにあったのはたくさんのガラス瓶。何段もの棚に、所狭しと並んでいる。  そして中には猫や犬、カエル、魚などたくさんの種類の生き物がぎゅうぎゅうと詰め込まれているのだった。  なんだコレ……あまりのことに、思わず僕はスマホを落としてしまった。周りがふっとまた闇に包まれる。  すると耳元で、ケンちゃんの声がした。 「ここは妹がさみしくないように、兄が友だちを集めた特別な部屋さ」
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