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私は駅員にIC定期券の再発行をお願いしようと考えた。しかし、誰か親切な人がIC定期券を拾って届けてくれた可能性も否定出来ない。次の駅にないかを調べてもらうことにした。
「すいません、定期券落としちゃったんですけど…… 次の駅とかに届けて貰ってないですかね?」
駅員は次の各駅…… この駅から終点までは5~6駅ぐらいはあるだろうか。順番に尋ねてくれた。
数分後、驚くべき知らせが舞い降りた。
「届いてますよ。ここより二駅先の改札にてお預かりしております」
何たる僥倖か! 無くしたはずのものが見つかると喜びは一入、賭け事で大当たりをした時に匹敵するぐらいの嬉しさを覚えると言うものである。私はその駅までIC定期券を取りに行くことにした。
私が駅員に礼を言うと、彼は返すように私に言った。
「改札でいくつかの質問にお答え頂いてお返しと言うことになりますので」
「え? 私の定期券だよ? 名前言えばそのまま返してもらえるんじゃないの?」
「最近、銀行口座の不正利用あったじゃないですか。その関係で本人確認の強化が業界全体に広がってまして。鉄道業界としてはICカードのチャージを銀行口座からの引き落としと言うことになってる繋がり上、口頭でのチェックと言う形を取っておりまして、ハイ」
「成程、ICカードと口座繋げてる方もいますからね。本人確認も厳重になりますね」
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