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口喧嘩
僕、愛川信次と妻の莉紗は、二階建アパートで子供がいない夫婦の二人暮らし。
僕は26才、玩具メーカー『ミヤタ』で玩具の新作開発の担当をしている。
周囲からは、中肉中背だが甘い顔立ちの好男子と言われている。
――僕はお世辞だと思っているが・・・・・・
莉紗は24才、色白でスタイルが良く、目鼻立ちがきりっとした美しい顔にロングストレートな黒髪が輝いている。
莉紗は『スーパー安藤』でレジのバイトをしている。
最近は僕の仕事が忙しくなり、夫婦の会話の時間が少なくなり、
僕にかまって欲しいという莉紗の不満がたまったのか、夫婦の関にはギスギス感が漂っていた。
仕事で僕の帰り遅くなるとメールを入れなかったことから、夕食を作って食べずに僕を待っていた莉紗と口喧嘩になることも多くなった。
そんな口喧嘩が原因で、やがて二人は顔を合わせても口をきかなくなった。
ある日、家に帰ると莉紗がいない。
食卓の上に『疲れた、一人になりたい』と書かれた書置きが残されていた。
彼女の持ち物を調べたが、僕の知っている限りで、持ち出した物は無いようだ。
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