第4章:発情(Ω)

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「あーっ!!! 出て行ってくれ。」 こんな状況でも 自分がオメガだということに 未だ納得が出来ていない僕は 僅かに残る理性で そう告げ、 彼の腕から逃れた。 「この並ならぬ量のフェロモン・・・ ヒートを起こしてるじゃないですか。 一人でなんて、 放っておけないですよ。」 「ヒート?こ・・・これが・・・発情期・・・ え?・・・そんな・・・ いや・・・大丈夫だって。」 「何言ってるんですか? どうみても、そうじゃないですか。 それに、 このままだと、 服が濡れてしまいますよ。」 なんでもお見通しなのか。 さっきから 前の反応と同時に 後も濡れていて気持ち悪い。 男で、 前だけではなく後も こんなになってしまうのは オメガだけだ。 昨日のように酔っていたから覚えていないなんて 言い訳も通用しない。 どんなに否定しても もう否定しきれない。
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