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店に入る用がないのに、気付けばそう言っていた。
多分あの人には人を引き寄せる力があるんだろう。
やっぱり不思議な人だ。
店は一人でやっているんだろうか。気になることがまた出てきた。
何日か後にまだ気になっていたら、店に寄ってみよう。そう決めて帰る。
何となく歩きたい気分だったから、自転車には乗らない。
押して歩いていると、ビラ配りをしている人にメモサイズの紙を渡された。
新しくスイーツ店がオープンするらしい。
ここからは少し離れているけど、簡易の地図でも場所は分かった。
甘い物が食べたくなったら行ってみよう。そう軽く考える。
理沙はバイトに行き始めたけど、合間を見て誘うことぐらいはできるだろう。他の子を誘ってみてもいい。
まだオープン前。その直後だと並ぶことになるだろう。
一段落ついたときぐらいが良い。そのほうが評判も聞ける。
半月後ぐらい。長いようで短い。多分すぐに来る。楽しみだ。
こうやって、小さいことでも楽しいことを探して生きていくのが正解。それにさっきのお姉さんの言葉を足せばもっと良いものになる。
多分。いや多分は余計だ。
ハンカチを落として良かったと思う。
お母さんのほうはお茶をこぼして、何か見つけたことはあっただろうか。ないような気がするけど、聞いてみたい。
また愚痴を聞くことになっても、慣れているから構わない。とにかく話そうと思いながら、貰った紙をバッグのポケットに入れた。
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