5. ひとつ屋根の下

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5. ひとつ屋根の下

体がダルい。 。 汗を全身にかいたような不快感で、寝返りすらも おっくうだ…。 強烈な喉の乾きを覚えて目をあけた。 見慣れない天井が見える。 部屋の中は薄明るい。 回りを見ようと首を動かした瞬間に激痛が走って 動かすのをやめた。 和真は顔をしかめて、首に手をそえる。 ー ここどこだっけ? そう思って昨夜の記憶を掘り起こす。 断片的に記憶が蘇ってきて、点と点が繋がって あぁ と顔を手で覆った。 その時部屋の外から足音が近づき 遠慮がちにドアをノックする音が聞こえた。 和真はなぜか急いで目を閉じ、寝たフリをしてしまう。 ドアは静かに開いて、誰かが部屋に入ってくる。 和真の寝ているベッドにそっと座り、顔をのぞきこむと そっと優しく和真の額に触れた。 和真は耐えられなくなって、今目覚めたように 薄く目を開けた。 「おきた? 大丈夫?」 柊生が心配そうにのぞきこんでいた。 和真はコクンと小さくうなずく。 「喉乾いてない?水持ってきた」 そう言ってペットボトルの水を見せる 「すいませ…」 言いながら起き上がろうとすると また首やら肩やら激痛が走って思わず 痛っ!と 叫んでしまった。 「ゆっくり、ゆっくり きっとむち打ちだよ」 そう言って柊生は起き上がるのを優しく 手伝ってくれる。 ペットボトルの蓋まで空けて、ハイと手渡され 和真はそれをグビグビ飲んだ。 「今何時ッすか?」 「9時半過ぎだね」 いいながら柊生は体温計を手渡してくる。 和真はそれを無言で受け取り。脇に挟んだ。 「昨日 あれから…」 和真が記憶をたどるように呟くと 「昨日というより今朝だね」 柊生が笑ながら続けてくれた。 「覚えてない?俺の車で爆睡してたから 時間も時間だったし送るのあきらめて 俺ん家来たの」 そう、思い出した。
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