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翌朝の日曜も朝からよく晴れていた。
柊生は朝食のあと、掃除をはじめた。
ベッドのシーツをはがし、窓を空けて風を入れた。
まだ 和真の香りが残ってる部屋。
掃除機をかけて、床を拭いて一息ついた所で
携帯を見た。
どこからも着信はない。
小さくため息をついて、少し迷ったあげく
携帯のアドレスを開いた。
昨日登録したばかりの名前をタップして電話をかける。
結構勇気を出してかけたのに、コールもせずに
留守番電話センターに繋がってしまう。
(この電話は電波が届かないところにあるか
電源が入っていないため…)
「クソッ!なんだよ!」
柊生は聞き終わる前に電話を切って
ソファーへ投げた。
ー あいつ、まだ充電してないのか?
そんな訳ないと、思ったり
まぁ無いこともないか、と思ったり…。
ひょっとして充電がなくなってたのではなく
事故のせいで壊れていたのでは?
考えはどんどん不吉な方に進んでいく。
家で倒れてたりして…。
様子を見に行こうか…。
その瞬間 傍らの携帯が振動と共に鳴り出して
柊生はおどろいて飛び上がった。
傑からだった。
(どう?昨日大丈夫だった?)
「どうしよう!あいつ電話が繋がらないんだ!」
(…は?)
柊生は昨日の事をザックリ話して聞かせた。
傑は時々ため息をつきながら、あきれたような声で
相づちをうちながら聞いていた。
「どう思う?様子を見に行くべきかな?」
(あのさ…あんまり言いたくないけど)
「ん?何?」
(バカじゃないの?)
「え?」
(柊生君さぁ、いったいあの子のなんなの?)
そう言われて、殴られたような衝撃が走り
言葉が出なくなった。
(ただの加害者と被害者でしょ?
それとも何?それ以上の関係になりたいの?)
「うぅ…」
ズバリ聞かれると何とも答えに詰まる。
(同情するなとは言わないけどさ、もう十分じゃない?
… 年明けには両家の顔合わせでしょ?
面倒な関係にでもなったりしたら……)
「分かってるよ…嫌な言い方するなよ…」
傑の言葉が冷たく頭に響いて
急に体温が下がった気がした。
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