8. 予 感

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翌朝の日曜も朝からよく晴れていた。 柊生は朝食のあと、掃除をはじめた。 ベッドのシーツをはがし、窓を空けて風を入れた。 まだ 和真の香りが残ってる部屋。 掃除機をかけて、床を拭いて一息ついた所で 携帯を見た。 どこからも着信はない。 小さくため息をついて、少し迷ったあげく 携帯のアドレスを開いた。 昨日登録したばかりの名前をタップして電話をかける。 結構勇気を出してかけたのに、コールもせずに 留守番電話センターに繋がってしまう。 (この電話は電波が届かないところにあるか 電源が入っていないため…) 「クソッ!なんだよ!」 柊生は聞き終わる前に電話を切って ソファーへ投げた。 ー あいつ、まだ充電してないのか? そんな訳ないと、思ったり まぁ無いこともないか、と思ったり…。 ひょっとして充電がなくなってたのではなく 事故のせいで壊れていたのでは? 考えはどんどん不吉な方に進んでいく。 家で倒れてたりして…。 様子を見に行こうか…。 その瞬間 傍らの携帯が振動と共に鳴り出して 柊生はおどろいて飛び上がった。 傑からだった。 (どう?昨日大丈夫だった?) 「どうしよう!あいつ電話が繋がらないんだ!」 (…は?) 柊生は昨日の事をザックリ話して聞かせた。 傑は時々ため息をつきながら、あきれたような声で 相づちをうちながら聞いていた。 「どう思う?様子を見に行くべきかな?」 (あのさ…あんまり言いたくないけど) 「ん?何?」 (バカじゃないの?) 「え?」 (柊生君さぁ、いったいあの子のなんなの?) そう言われて、殴られたような衝撃が走り 言葉が出なくなった。 (ただの加害者と被害者でしょ? それとも何?それ以上の関係になりたいの?) 「うぅ…」 ズバリ聞かれると何とも答えに詰まる。 (同情するなとは言わないけどさ、もう十分じゃない? … 年明けには両家の顔合わせでしょ? 面倒な関係にでもなったりしたら……) 「分かってるよ…嫌な言い方するなよ…」 傑の言葉が冷たく頭に響いて 急に体温が下がった気がした。
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