10. Prisoner #

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10. Prisoner #

柊生の匂いが充ちている車の中で、柊生の隣で 柊生の言った言葉を繰り返し思い出す。 一夜の過ちで、済ませるつもりはないと。 そういう意味だったのだろうか? 自分たちは これからどんな関係になろうと しているんだろうか? 流れていく景色もどこか非現実的で この車の中だけ別世界に切り取られたような そんな頭に靄がかかったような感覚。 これからの事も 今、目の前の事も 考えるのはやめて ただ流されよう。 1度 堰を切ったら もう止められない。 とにかく今は 佐倉さんが欲しいんだ。
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