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「生命は本来、寿命でしかその一生を終えないものでした。
しかし、文化や文明が発達し暮らしやすくなり食が豊かになるにつれ事故や病気というものになり、その一生を寿命で終えることのない沢山の生命がでてきました。
寿命で生涯を終えることができなかった魂は、現世に未練を残し記憶を落としてしまうことで成仏できず、記憶を探して魂は彷徨いそうして最期にここに辿り着くのです。
本来寿命で生涯を終えた者たちは、あの世(天国)に行く途中まで記憶を持ってきてもらい三途の川を渡り終えるまでに全ての記憶を捨ててもらうことで現世に未練を残さず安らかに眠ってもらい、また新しい生命に生まれ変わってもらいます。」
「つまり記憶が戻るとあの世へ連れて行かれるんじゃ...」
俺の不安げな質問を遮るように男は
「そうではございません。ここでは、落としてしまった記憶を思い出してもらい、またお客様が現世で寿命まで生きられる様サポートする旅行代理店会社でございます。」
そう答えた。
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