気付いてしまった気持ち

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気付いてしまった気持ち

戻ってきて、すぐにお土産を渡しに会った。 ただ会いたかった… 気付いてしまった…自分の気持ちも… どうしたら良いか分からず…きっとオバサンが本気になって、重くて面倒だと気付いたら…まだ引き返せる…そうも思っていた。 彼は切なそうに…ずっと留守番していたペットのような切ない顔で笑って会ってくれた…きっと聞きたくもない旅行の話を、どうだったかなんて気を遣って聞いてくれ…普通に話せていたか自分でも分からない… ただ彼の手を握りしめた… もう止められなかった…たとえ遊びの関係だと思われてても良い…それでも良いから、私は彼に身をゆだねると決めた。 今さら恥じらう事もない…逆に有り難い事かもしれない…こんなオバサンが若者に抱いてもらえるなんて…それでも、まるで学生時代のように恥ずかしくて、年甲斐もなく私はただの女の子になっていた。 寝返りをうつと腕枕した手が私を包んでくれる…彼は寝ているはずなのに、それでも私を抱きしめてくれようとしてるのに…涙が溢れた。 何をバカな事をしてるんだと世間では言われるような内容だ…チヤホヤされて、コロッと落ちてバカな尻軽女だと言われるような…だけど、紛れもなく私は幸せだと思った。本当に好きだと思える同士が側にいて、こんなに幸せだと思えるなんて…久しぶりに感じた。 ここまできても、まだ私は一時の幸せだと思っていた… 今までだってそうだ…そんなに幸せは長くは続かない…今の一瞬、この一瞬の幸せを感じられれば良い…そのうち、みんな新しい幸せを見つけていなくなるのだから… 過去に恋した人も皆、それぞれの新しい幸せをつかんでいる。きっと彼も若い分、早く掴んでいなくなるんだと思った。彼は、出会った頃から若いくせに、年の差を感じさせないほど落ち着いていた…だけど、なんだか未来に夢や希望が満ち溢れてるような感じで、どこか羨ましかった。 やりたい事や思ってた事が、やりたくても出来ない環境の私には、素直で正直に話してくれる彼は眩しかった…そして、すでに愛おしかったのだ。 その気持ちに自分で気付いてしまった… もう恋なんてしないって決めてたのに…
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