第1章

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「何やってる、彼女は重要参考人だぞ」 堀田が言うと、徳丸は堀田に両手を合わせ、懇願するようなポーズをとった。 「見逃してくださいよぉ、堀田さん、ね?」 「いい加減にしろ、出来るわけないだろう」 声を上げたのは、普段物静かな白井だった。 堀田の馴れ馴れしい態度となんとも軽い言葉に、怒りを覚えたのだった。 白井は、堀田の方を掴み、引きずりだそうとした。 ところが、 「まあまあ」 堀田はそう言うと、白井の手を徳丸の肩から離し、徳丸の薄汚れたジャケットの袖を掴むと、数歩横に連れ出した。 白井も里奈も呆気にとられていた。 「な、ちょっと勘弁してくださいよ」 堀田は徳丸の言葉を気にも留めず、周りを見渡して誰も居ないのを確認すると、 「以前の事件で徳ちゃんには借りがあったな。 特別に3分だけ時間をやる」 小声でそう言った。
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