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「何やってる、彼女は重要参考人だぞ」
堀田が言うと、徳丸は堀田に両手を合わせ、懇願するようなポーズをとった。
「見逃してくださいよぉ、堀田さん、ね?」
「いい加減にしろ、出来るわけないだろう」
声を上げたのは、普段物静かな白井だった。
堀田の馴れ馴れしい態度となんとも軽い言葉に、怒りを覚えたのだった。
白井は、堀田の方を掴み、引きずりだそうとした。
ところが、
「まあまあ」
堀田はそう言うと、白井の手を徳丸の肩から離し、徳丸の薄汚れたジャケットの袖を掴むと、数歩横に連れ出した。
白井も里奈も呆気にとられていた。
「な、ちょっと勘弁してくださいよ」
堀田は徳丸の言葉を気にも留めず、周りを見渡して誰も居ないのを確認すると、
「以前の事件で徳ちゃんには借りがあったな。
特別に3分だけ時間をやる」
小声でそう言った。
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