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集まったマスコミのうち、テレビ局はその場でレポートを始め、住宅街の路地は歩くことも出来ないほど騒然となった。
ぼーっと立っていた里奈は記者たちにぶつかり、そのたびに怒鳴りつけられた。
ようやく人ごみから抜け出した里奈は、徳丸の姿を見つけた。
徳丸は、事件の起こった邸宅の横の生垣から中を覗き見ようとしていた。
警官たちに見つかれば、どやされるのは間違いない。
「とんでもねえ事件だ。
犯人はどんなヤツだ。ガイシャは何に咬まれ、何に呑み込まれたんだ!」
徳丸は、ぶつぶつとひとり言をつぶやいていた。
「何やってるんですか、徳丸先輩。
こんなことしてていいんですか」
里奈が小声で言い、徳丸の上着を引っ張った。
だが、徳丸は動こうとしない。
「うるせえ!
こいつは何としても突き止めなくちゃならねえんだ、この俺がな」
徳丸の顔はぎらついていた。
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