第1章

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「ええ、はい、そうです」 答えた家政婦の女性は、見た目が40代前半ぐらい。 かなり困惑した表情を浮かべている。 「その時の状況を詳しく教えてもらえませんか?」 徳丸が尋ねた。 「はい・・・・・・。 ですが・・・・・・」 家政婦は口ごもった。 「どうしたんです?」 徳丸が家政婦に詰め寄った。 だが、近づき具合が度を越している。 「ちょっと」 里奈には、そのまま徳丸が抱きついて、押し倒すのではないかと思えた。 「あの・・・・・・」 家政婦が顔を背けながら、両手で徳丸を押し止めようとした時、 「何やってる!」 徳丸の背後で声がした。 徳丸と里奈が振り返ると、年配の刑事がこちらに近づいてくる。 堀田である。その後ろから、部下の白井が続いた。 「いったい、どっから入った?」 徳丸は体を屈め、堀田たちに背を向けると、 「くそっ、見つかっちまったか」 そう呟き、舌打ちした。
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