第1章

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「本当ですか!」 「ただし、3分経ったらここから出ろ、わかったな」 徳丸は、堀田に向かって犬のように3度うなずいた。 堀田は、3分後に裏から徳丸たちを出すよう白井に指示すると、何のお咎めも無く、その場を立ち去った。 徳丸は、家政婦への取材を続けた。 「さっきの話に戻りまして、早坂さんが殺された時の状況を教えてほしいのですが」 徳丸は、手にした小型ボイスレコーダーのスイッチを再び入れた。 「はあ・・・・・・」 家政婦は気が進まぬ様子で話し始めた。 「警察の方にもお話したのですが、いつもなら午後3時過ぎぐらいにリビングにいらっしゃる旦那さまが、いつまで経ってもいらっしゃらないので、部屋に呼びに行ったんです。 でも、いくら呼んでもドアをノックしても返事がありませんでした。それで、思いきってドアを開けてみたんです」 徳丸と里奈は、食い入るように家政婦の顔を見つめ、話に耳を傾けた。 家政婦の顔は青ざめ、身体が小刻みに震えていた。
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