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「その時見た光景はとても恐ろしく、今でも信じられません。
旦那さまは床に倒れ、大きな蛇が体に巻きつき、もっと小さな蛇が何十匹と部屋に居たんです」
「ええーっ!」
途端に里奈が大声を上げた。
徳丸はすぐに里奈の口を右手で塞ぎ、左手の人差し指を自身の口元に当て、「シーッ」と合図した。
里奈はうなずき、ゆっくりと徳丸の手を自分の口元からどかした。
「驚いた私は、叫び声を上げました。すると今度は、蛇たちがこちらに向かってきました。私はドアを閉めると、外に逃げ出し、すぐに警察に電話しました。それから、近所に人を呼びに行きましたが、誰も来てくれません。
そのうちに警察の方々がいらして、一緒に旦那さまの部屋に行きました。部屋には蛇は一匹もおらず、旦那さまは倒れて死んでいたのです。
警察の方は、私の言うことを信じてくれません。でも、間違いなくこの目で見たんです」
話し終えた家政婦の顔は、さらに血の気を失っていた。
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