第1章

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「巨大な蛇が、被害者を呑み込もうとしてたってわけか。 警察の発表では、何かの生物毒による攻撃を受けたとも言ってたな。 大きな蛇とは別の蛇か何かが」 徳丸がぶつぶつと独り言のように呟いていると、 「私、わかりました」 不意に里奈が口を開いた。 「何だよ」 「全部毒蛇の仕業です。巨大な毒蛇が被害者に咬みついたんです。 その後、毒蛇は被害者の体に巻きついたんです。 そうに決まってます」 里奈は、まるで自分が名探偵にでもなったように、得意げに言った。 「馬鹿言ってんじゃねよ」 徳丸は、里奈の頭を小突いた。 「痛っ、何すんですか?」 里奈は徳丸に叩かれた頭を手で押さえ、顔をしかめた。 「毒蛇ってのはな、咬みついた後、獲物から一旦離れて、獲物に毒が回って動かなくなってから呑み込むんだ。 獲物に巻きついたりはしないんだよ。 だいたい、人間の体に巻きつくような大きさの毒蛇なんて、この世に存在しねえんだ」 「そんなこと、私が知ってるわけないじゃないですか、もう」 里奈は、まだ頭を押さえている。
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