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「巨大な蛇が、被害者を呑み込もうとしてたってわけか。
警察の発表では、何かの生物毒による攻撃を受けたとも言ってたな。
大きな蛇とは別の蛇か何かが」
徳丸がぶつぶつと独り言のように呟いていると、
「私、わかりました」
不意に里奈が口を開いた。
「何だよ」
「全部毒蛇の仕業です。巨大な毒蛇が被害者に咬みついたんです。
その後、毒蛇は被害者の体に巻きついたんです。
そうに決まってます」
里奈は、まるで自分が名探偵にでもなったように、得意げに言った。
「馬鹿言ってんじゃねよ」
徳丸は、里奈の頭を小突いた。
「痛っ、何すんですか?」
里奈は徳丸に叩かれた頭を手で押さえ、顔をしかめた。
「毒蛇ってのはな、咬みついた後、獲物から一旦離れて、獲物に毒が回って動かなくなってから呑み込むんだ。
獲物に巻きついたりはしないんだよ。
だいたい、人間の体に巻きつくような大きさの毒蛇なんて、この世に存在しねえんだ」
「そんなこと、私が知ってるわけないじゃないですか、もう」
里奈は、まだ頭を押さえている。
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