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「その蛇は、どのぐらいの長さだったんですか?」
徳丸は再び家政婦に向き直った。
「旦那さまに巻きついてましたので、長さは分かりません」
「太さは?」
「多分、このぐらい・・・・・・」
家政婦は、身体の前で両手を広げた。
「そんなにー!」
家政婦が示した幅は、家政婦自身のウエスト程もあった。
「毒蛇でそんなに太いのはいないわな」
徳丸は呟くとスマートフォンを取り出し、検索して出した2つの画像を家政婦に見せた。
どちらも胴回りの太い蛇のものだった。
「こっちがアミメニシキヘビ、主に東南アジアに住んでます。
こっちはオオアナコンダで南米の蛇です。
その大蛇ってのは、このどちらかでしたか?」
家政婦は画像を交互に見ていたが、
「はっきりとは憶えていません」
と答えた。
「まあ、似てるといえば似てるし仕方ないか。
ところでですね」
徳丸がそこまで言った時、
「3分経ちましたので、ここまでです」
横から若い刑事の白井が、徳丸の言葉を遮るように言った。
「いいじゃねえか、もう少し」
「こちらの言うことが聞けないなら、今後は会見も出禁にしますよ」
白井はきっぱりと断った。
「わかったよ」
徳丸はふてくされたように言うと、里奈を引きつれ、出て行った。
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