第1章

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「その蛇は、どのぐらいの長さだったんですか?」 徳丸は再び家政婦に向き直った。 「旦那さまに巻きついてましたので、長さは分かりません」 「太さは?」 「多分、このぐらい・・・・・・」 家政婦は、身体の前で両手を広げた。 「そんなにー!」 家政婦が示した幅は、家政婦自身のウエスト程もあった。 「毒蛇でそんなに太いのはいないわな」 徳丸は呟くとスマートフォンを取り出し、検索して出した2つの画像を家政婦に見せた。 どちらも胴回りの太い蛇のものだった。 「こっちがアミメニシキヘビ、主に東南アジアに住んでます。 こっちはオオアナコンダで南米の蛇です。 その大蛇ってのは、このどちらかでしたか?」 家政婦は画像を交互に見ていたが、 「はっきりとは憶えていません」 と答えた。 「まあ、似てるといえば似てるし仕方ないか。 ところでですね」 徳丸がそこまで言った時、 「3分経ちましたので、ここまでです」 横から若い刑事の白井が、徳丸の言葉を遮るように言った。 「いいじゃねえか、もう少し」 「こちらの言うことが聞けないなら、今後は会見も出禁にしますよ」 白井はきっぱりと断った。 「わかったよ」 徳丸はふてくされたように言うと、里奈を引きつれ、出て行った。
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