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「そのスマホなんですが、盗まれた時刻が早坂の死ぬ30分ほど前だというんです」
「どうして盗まれた時間が分かるんだ?」
「それが、盗んだのは人ではなかったと」
「人ではない?どういうことだ?」
「それが、あの・・・・・・、鳥、だったと」
言い終わった白井は、両膝に手を置き、荒く息を吐いた。
「とりって、空を飛んでるあの鳥か?」
堀田は信じられないという顔で白井に尋ねた。
白井は、両膝に手を置いたまま、2度うなずいた。
「ええ。外出時にスマホをいじっていたら襲われたそうで、玉川以外に目撃者もいます。見たことも無い、灰色をした鳥で、とても大きかったと」
「そんな馬鹿なことが」
「襲われた玉川は手に傷を負い、病院に搬送されています。
手の甲に、その時の傷が生々しく残っているそうです」
「馬鹿な!
鳥が携帯を盗み、しかもその盗まれた携帯で、殺される直前の早坂の携帯に電話をかけてきた者がいるというのか」
堀田も唖然となっていた。
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