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見つけた時、蹲って泣いていた。
血だらけになりながら、真新しい傷口が塞がっていく不可解に、私も思わず泣きそうになった。
襲いくるくまのぬいぐるみを一瞬で弾けさせると、私は血だらけの身体を隠すように小さな身体を抱きしめた。
『大丈夫、もう大丈夫だよ』
安心したのか、また泣き始めた震える声を包み込むように抱きしめる。
私が、守る。
どんな事があろうと、
どんな痛みを背負おうと、
私が、この子を守る。
『もう大丈夫、私がいるよ、
私が絶対、守り切ってみせるから、
だから大丈夫、
大丈夫だよ、檸檬は、大丈夫』
命に変えても、絶対に守りきってみせる。
琴子、安心して、
琴子がしたように、私も、この子に精一杯、愛情を注いで見せる。
琴子が望んだように、この子に幸せな未来を見せてみせる。
この子を、幸せにしてみせる。
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