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オレは背後にいるかもしれない杉田忍の存在に怯えながら、足早に歩き始めた。
振り向いて、本当に自分の背後に忍がいるのかを知りたかったが、振り向いてはいけないと、オレは本能的に感じていた。
もしも今、危機的な何かが起きて周りに助けを求めても誰もいないし、ここがどこであるかすらもわからない。
ただ果てしなく続く見たこともない薄暗い道をオレは必死に歩くだけだ。
オレは背後にいるかもしれない忍を振り切ろうと足早に歩いたが、そんなオレの歩調に合わせて、不気味な足音がオレを追いかけてくる。
オレは後を追いかけてくる足音に得体の知れない不安と込み上げてくる恐怖を感じていた。
どうしてもこの足音を振りきりたい。
オレが怯えた気持ちでそんなことを思ったとき、背後からまた忍の不気味な声が聞こえてきた。
「無視するな！
私に気づいているくせに！」
その言葉にオレはドキリとして息が詰まり、心臓がドクンと飛び跳ねた。
そして次の瞬間、背後から何者かの冷たい手がオレの肩を叩いたのだ。
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