『復讐日記』第一章

11/17
前へ
/326ページ
次へ
「やっぱりお前、おかしいよ。 昨日、悪いものでも食ったのか?」 オレが昨夜の出来事を思い出して不安になっている傍らで、康孝は笑いながらオレにそう言ってきた。 昨日までのオレならば、笑いながら康孝に冗談を返していただろう。 でもオレは冗談など言える余裕もなく、胸に不安を抱えながら、康孝に言葉を返した。 「なぁ、康孝。 この世に呪いってあると思うか?」 オレが真剣な顔で康孝にそう言うと、康孝はオレの言葉にキョトンとした表情を見せた後、声を上げて笑い始めた。 「真面目な顔して何を言うかと思ったら、この世に呪いがあるかだって? そんなのあるわけないだろ? マンガの見過ぎかよ」 康孝はオレの話をホラーマンガの影響だと思っているらしかった。 でも、オレはホラーマンガの影響を受けたんじゃなくて、本当に見たんだ。 まばたきもせず、血走った目をした杉田忍の幽霊を……。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加