『復讐日記』第一章

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「そうだよな。 呪いなんてあるわけないよな」 オレは自分に言い聞かせるようにそうつぶやき、昨夜の忍の言葉をなかったことにしようとしていた。 呪いとか幽霊とか心霊現象とか、そんな非科学的なことが現実に起こりうるはすがない。 冷静になって考えればわかること。 そうだ……。 杉田忍なんて、元々、取るに足りないゴミみたいな存在だったじゃないか。 そんな奴がオレに復讐なんてできるはずがない。 あんな奴のことなんて、早く記憶から消し去ろう。 「納得したか、チームメイト」 康孝はそう言って、爽やかにニコリと笑った。 「受験まで半年を切ったんだぜ。 オレも貴史もS高校に合格して、また一緒にバスケしようぜ。 目標は全国制覇だぜ」 康孝は全国制覇という言葉をよく口にする。 それは叶うはずのない夢だけれど、オレは康孝の前向きな言葉が好きだった。
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