あっ!何か落としましたよ

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「じゃあ、俺たちみたいに最後列に座るのが一番って事だろ?」  BはAの話題を広げた。  まぁ、この手の話は半分乗っかっておくくらいが楽しいところだ。 「まぁ、そういうことになるな」 「じゃあ、俺たちは絶対に安全だな。最後列だし」 「まぁそうだな。後ろを振り向いてそこに人がいたら、それこそ怪奇現象だな」  Aが笑った。 「でもさ、そういう話が巷で流れてたとすんじゃん。たぶん誰も振り向いてくれないんじゃない?」  私の降りるバス停に近づいた。ブザーを鳴らす。 「まぁ、そんなに難しい話じゃないんだよ」  いったいどうやって使者は振り向かせるというのだろうか。  続きが気になるが降りなくてはいけない。  バスが止まり私は席を立った。  続きが気になったので、耳を傾けたまま少しゆっくりと歩いて、私は出口に向かった。 「あっ、すいません。何か落とされましたよ」  Aの声がした。 「足元。すぐ後ろです」 「えっ?あっすいません」  何を落としたのだろうかと思い、私は立ち止まり振り向いた。 「ほらなっ!?簡単だろ?」  Aの声が聞こえた。
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