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店の見回りは世界の闇を、汚いところを見る任務だ。一軒目は雑居ビルの一室。
「ここは?」
「ギャンブル場」
「え⁉︎」
「ここにいて」
驚く開堂を置いて、ビルの中へと入る。普通なら監視カメラに姿を見せ、インターホン越しに秘密の言葉を言わなければいけないけれど、事前に連絡がいってたのだろう。すぐにドアが開けられた。
「どう?」
ドアが完全に閉まるなり尋ねると、この店を任されている小太りの男は興奮気味に口を開いた。
「先月は三人新しい客が来ました。元々海外でギャンブルに嵌ってたらしいし年収もある。いいカモになりますよ。売り上げも順調です。あと、新しいスロット台、あれはいいですよ! 金を産みます!」
「わかった。報告しとく」
「あとこれ、ボスに!」
渡されたのはメモリカードと茶封筒だ。メモリカードにはここ一ヶ月の業務報告と顧客名簿が記録されている。そして茶封筒の中身は。
「ん」
毎月どんどん分厚くなる上納金。中身がいくらなのか、その金額が外ではどれくらいの価値を持つのかはわからない。でも、半端な金額じゃないのは確かだ。
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