二、

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 開堂の言うケーキ屋は、平日だというのに確かに盛況だった。可愛らしい店内で皆会話に花を咲かせ、白・黒・茶・ピンク・赤・緑・オレンジ、色鮮やかなケーキを頬張っている。誰もが笑顔で幸せそう。 「……何ここ」  自分がこんな場所にいる事が信じられなかった。 「すごい人気だな。ケーキと飲み物、何がいい?」 「そうじゃなくて、何でこんな所に来たの? 変でしょ?」  パステルカラーを基調とした店内は若い女の子ばかりだ。おしゃれをして、家族や友達、恋人と楽しそうに過ごす女の子達。場違いすぎる。  すると、開堂は不思議そうに首を傾げた。 「変じゃないだろ」  真っ直ぐな目は嘘を言っているようには見えなかった。 「それよりケーキ、何がいい?」  開堂が差し出すメニューには、数十種類のケーキの名前らしきカタカナが並ぶ。いくつかは聞いた事があるけれど、ほとんど呪文にしか見えない。 「……わからない」 「好きなやつないか?」 「……わからない」  もう一度呟くと、開堂は困ったようにメニューを自分の方向に向けた。 「なら適当に選ぶぞ? アレルギーとか苦手なものあるか?」 「……ないと思う」 「了解」
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