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死体処理任務までこなした開堂の信頼は益々上がっていった。
「開堂、飲めよ」
「いける口じゃーん!」
「ああ」
「早速幹部候補じゃないか」
「そんな事ないさ。色々教えてくれ」
バーにいれば古株達に飲みに誘われ。
「お前明日オフだろ? 泊まってくのか?」
「いや、アパートに帰る。何日も空けると心配だからな」
「へー」
「急に何か入るかもしんねえから電話は出ろよ」
「ああ」
任務以外はそれなりに自由も許される。人畜無害そうな見た目も相まって、疑われる事もない。
ユキはその光景をバーの端からただ見ていた。
組織にあっという間に馴染んだ男。任務では一々苦しげな表情をするくせに、殺害任務はあっという間にこなした。私に優しくする理由もわからない。
すると、開堂がこちらを振り返った。困ったように笑う目と目が合う。
「ユキ」
「……何?」
「コンビニでも行かないか?」
頭は自然と縦に動いた。
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