二、

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 注文が終わると開堂は再びユキを見つめた。最初に出されたキャベツすら美味しそうに食べる姿は組織にいる時とは別人だ。 「なあ」 「ん?」 「……これだけ教えてくれ。好きで組織にいるのか?」  一瞬の間。ユキもまた隣に座る開堂を見た。  開堂の瞳は真剣で、演技をしているようには見えない。  ーーもう、いい。  もし組織が試しているなら、下手な事を言えば容赦なく消される。そういう人をたくさん見てきた。  でも、それでもいい。そう思えた。 「そんなわけないでしょ」  久しぶりに人に笑いかけた。  そして、開堂は違ったらしい。 「それなら何でこんな所にっ……」  ショックを隠そうともせず、目を見開いた。 「さあ?」 「ユキ!」 「こんな所で話す事じゃないでしょ。おっさん、お酒何か頼んで」  騒がしく、皆他人の事なんて気にしてなさそうではあるけれど、誰に聞かれるかもわからない。メニューを渡して催促すれば、開堂は渋々という風にお酒を選んでくれる。 「お待たせ致しました! カシスオレンジです!」  出てきたのはまた甘くて飲みやすい、優しい味のお酒だった。 「美味しい!」  ユキはそれを上機嫌であおる。  
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