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そして。
「ユキ……ゆっくり息吐けよ?」
「んんっ……」
秘部の入り口に押し当てられた熱が一気に中に入ってきた。
「痛いのは一度きりにしたいからな、頑張れっ……」
「大丈夫、だからっ……」
熱は固く閉じた箇所をこじ開けるようにしながら奥へと進む。感じた事のない圧迫感に、ユキの背は反り返った。でも、確かに痛みはあるけれど、それ以上に満足感の方が大きい。
そして。
「ほら、奥まで入った。大丈夫か?」
「うんっ」
限界まで足を開かれて体が重なる。最奥まで満たされたのがわかった。
開堂は暫くの間動く事はせず、ただユキの頬と髪を撫でた。多分落ち着くまで待ってくれてるのだろう。自分だって苦しげに短い呼吸を繰り返しているのに。
組織の男達はこんな事しない。見回り中や工場で、他人の性行為なんて何度も見た。だけど相手を気遣っている人なんて一人もいなかった。
ある時は泣き叫ぶ女を無視して。ある時は複数で。ある時はユキに女性の痴態を見せつけるようにして。
少なくともユキが知っている性行為はそういうものだ。
ーーなのに……。なのに、目の前のおっさんは何でこんなに優しいんだろう。
精一杯の真心を込めて尽くしてくれる開堂に、胸の奥が締め付けれる。
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