二、

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 報いたいと思った。自分に気遣って、我慢してくれている開堂に。 「おっさ、ん……」 「何だっ?」 「も、好きに動いて、いいからっ」 「辛くないか?」 「辛いのはそっちでしょっ。いいから、動いてっ」  その瞬間だ。  ズンッ。 「んあっ!」  激しい律動が開始され、感じた事のない衝撃が全身を襲った。同時に宥めるように額に、頬に、唇に、触れるだけのキスを繰り返される。 「ユキッ……」  キスの合間に呟かれたのは、ユキが聞いた事のない切なさを孕んだ声。それに何か答えようとしたけれど、その前にきつく抱きしめられた。 「ユキっ、きつかったら言えよっ? 止まるかわかんないけど、止めるからなっ!」 「もっ、いいからぁっ」  律動が繰り返され、頭がクラクラした。  最初は辛いばかりだったのに、いつの間にか股にはドロドロしたものが伝っている。泣きたくなるような快感がユキの理性を溶かしていく。  いつの間にかユキも綴るように開堂の首に腕を回していた。  下からは肌がぶつかり合う音といやらしい粘着質な水音。他にはお互いの荒い呼吸しか聞こえない。ユキの視界を支配する開堂の額には幾粒も汗が浮かんでいて、その扇情的な姿にまた胸が締め付けられる。  そして。ある場所をさすられた瞬間、ユキの背が大きく反り返った。 「ふっあぁあっ!」  甲高い声を上げたユキをきつく抱きしめ、同時に開堂も欲望を解放した。
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