二、

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 ーーどうしよう。  迷ったけれど、今から一人だけ戻るのも変だ。なら夜通し飲んでた事にするしかない。他に選択肢もなくて、目を閉じる。  人前で寝るなんて、殺してくれと言ってるようなもの。今まで誰かと同室で寝ようと思った事は一度もない。だけどもういい。目を閉じると同時に体の力を抜くと、あっという間に眠りに引き込まれた。 「ーキ」 「ん……」 「……キッ」 「……ん?」 「ユキ」  何度も呼ばれ、ハッと意識が覚醒する。目の前にあったのは。 「……おっさん」  開堂の顔だ。開堂は寝転がったまま、おかしそうに笑ってユキの顔を見ていた。 「朝だぞ」 「え?」 「朝八時だ。そろそろ出ないとな」 「……嘘……」  あまりの事に驚くと、開堂は体を起こしながら不思議そうに尋ねる。 「どうかしたか?」 「……こんなに、寝た事ない……」 「いつもどれくらい寝てるんだ?」 「二時間くらいで目が覚めるのに……」 「は?」 「いつもなら二時間くらいで起きるのに……」  もう一度呟くと、今度は開堂が驚いた。
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