二、

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 ユキは答えられるものは全て答えた。  開堂が知る組織の情報は少しずつ増えていき、それにつれてユキが渡せる情報も減っていく。それなのに。 「ユキ、痛くなかったか?」 「うん」 「ほら水。飲めるか? 湯船入れてくるからな」 「ん」  開堂は優しいままだ。  一緒に湯に浸かって微睡んでいると、ユキの頭に顎が乗せられる。まるで恋人のような甘い雰囲気に、胸が高鳴る。このまま時間が止まればいいのに。  でも、それも束の間。 「なあユキ」 「ん?」 「子供の頃からいるってどういう事だ?」  また、この話題に触れてきた。 「さあ?」 「自分の事だろ? どうして犯罪組織に入る事になったんだ」 「……そんなの聞いてどうするの」 「……もしユキが好きで組織にいるんじゃないんなら助けたいんだ」  本当はそれにつづり付きたい。でも、そんなの最初から無理に決まってる。 「それ。私以外に言ってら始末されるよ」  お決まりになってしまった台詞で流す事しかできない。
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