三、

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 暫くすると二人は食事を終えて外に出てきた。咄嗟に電柱の陰に身を隠す。 「じゃあな」 「ん。ご馳走様、気を付けてね」 「そっちもな」  二人はレストランの前で別れると、反対の道を歩き出した。迷ったけれど、開堂はいつでも追える。女性の後をつける。  遠目からでも綺麗だと思った女性は、後ろ姿も綺麗だった。ピッタリ目のスーツはスタイルの良さを際立たせているし、履いているのはユキには絶対に履けない黒のピンヒール。それを綺麗に履きこなし、しっかりとした足取りで外套の下を歩いていく。  目的地へは徒歩で行く気らしい。バス停を通り越し、タクシーを何台も見送り、地下鉄の駅へ続く曲がり角も見送って、さっそうと歩き続けた。  そしてたどり着いたのは大きな建物。その入り口には警察庁、そうあった。 「え……?」  驚く間もなく、女性は中に入っていく。途中の警備やセキュリティをパスしているから、間違いなくここの人間だ。 「警察……?」  なら、おっさんは? おっさんも警察? なのに人を殺した? 組織の壊滅が狙い?  訳が分からなくて、暫くその場に立ち尽くした。
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