三、

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 本当だったら最後まで開堂の手柄にするべきなのはわかってる。そして、できるなら開堂の手で最後を迎えたいとも思っていた。  でも、もし開堂が警察だったら。捕まって、尋問を受けて、その上で他の人に最後を決められてしまう。USBメモリー以上の事は何も知らないから時間はかからないと思うけれど、それでもいつになるかわからない最後を待たないといけない。そして、この世で唯一の人の最後も、知らない人に決められてしまう。  そんなの嫌だ。  次の日、初めて自分からボスの元へと赴いた。 「どうした」 「大事な話があります」 「何だ」 「他の人に聞かれると……」  周りの目を気にしながら囁くと、ボスは考えるように顎に手をやった。 「ならば明日の正午、奥の部屋に来なさい。人払いしておく」 「はい」  終わりくらいは自分で決める。 「失礼します」  指定された時間ちょうどに部屋に入ると、ボスは奥の椅子に腰掛けていた。部屋には他に誰もいない。予想通り信じてくれた。 「どうした。こちらに来なさい」 「はい……その前に」  後ろを振り返って入ってきた扉を閉めた。中からロックをかければ、もうパスワードでも外からは開けられない。 「何をしている」 「邪魔が入らないように鍵を閉めただけです」 「そうか」  それでもなお、ボスに疑う様子はまるでなかった。
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