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「……おっさん?」
「何であんな事をしたんだっ!」
「だって……自分で終わりたかったから……」
「はっ?」
「だって……渡せる情報は全部渡したし……もしおっさんがいい人なら……私、逮捕されて死刑になるでしょ……?」
言い切った瞬間、頬を包む手が震えた。そして、またこれでもかというくらい表情を歪ませる。
「そんな事させるわけないだろっ!」
吠えると同時に顔が近づいてきて、思わずぎゅっと目を閉じた。その時だ。
「はいはい、そこのロリコン野郎。ちょっと顔近すぎ。離れましょうねー」
第三者の声が開堂を止めた。
他の人がいるなんて全然気付かなかった。
「え……?」
「……何でいるんだよ」
しかも、その女性は。
「ずっといたっての!」
「暫く二人にしてくれ」
開堂が不機嫌を隠さずに接するその女性は、開堂の恋人だ。しかも、その声は最近聞いたばかりのもの。
「そんな事できるわけないでしょ! ここに入れてあげてるだけでも感謝してよ!」
「……ちっ」
「……組織に、いた……?」
扉の外で開堂を窘めていたあの声だ。ユキが掠れる声で尋ねると、女性は「ええ」と微笑んだ。
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