夜の世界で生きる母と妹

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18時30分を過ぎた頃、僕はお腹が空いたこともあって、まずはレストランに入って食事を取ることにした。 1人での食事は味気なく寂しいけれど、父が天国に旅立ってからは1人での生活が続いているため、このようなことにも慣れてきている。 食事を終えてレストランを出ると、やはりクリスマスが近いからか木々にイルミネーションが飾られていて、とても美しい光景だった。 このような美しい夜のイルミネーションは表半球では見ることができないため、僕は時々足を止めてイルミネーションに見とれていた。 僕は街をぶらぶらと歩きながら少し飲みにでも行こうかと繁華街に行ってスナックやバーを探していると『スナック 鈴蘭』というお店を見つけた。 鈴蘭は僕が小学生の頃、家で母が好んで飾っていた花だという記憶があって、少し気になってこの店に入ってみることにした。 店のドアを開けると、 「いらっしゃいませ!」 と言いながら若い女性が近寄ってきたが、その女性は僕の顔を見るなり、 「お兄ちゃん?」 と驚いたような表情で声をかけてきた。 その女性はメイクをしていて髪も染めていたため、最初妹のようには思えなかったけれど、顔をよく見ると小学生の頃の面影があった。 「月奈?」 僕が言葉をかけると、 「そうだよ!」 と言葉を返してくれた。 「どうぞ、遠慮なく入って!」 月奈は愛想良く僕を店の中に入れてくれた。 他にお客様は来店していないようで、僕はカウンターの席に案内されて座ると、 「少し待っててね!」 と月奈は笑顔で店の奥に入っていった。
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