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翌日も母のスナックに行って、母と月奈と話をした。
僕はかねてから考えていたことを率直に話した。
「お母さん、月奈、表半球に引っ越しをして、表半球で生活することはできないかな?
お父さんが残してくた遺産もあるから、当面は仕事しなくても僕が2人の生活の支援はするよ!」
僕が話をすると母は、
「私はこのお店を続けたいから難しいけれど、月奈には表半球に行ってもらいたいと思っているのよ!
陽翔が助けてくれるなら、その言葉に甘えさせてもらって月奈を表半球に連れて行ってもらいたいよ!」
と今の正直な気持ちを話してくれた。
僕は母と月奈にこのことをしっかり考えてほしいと伝えて、お店がお休みの日曜日に3人で会って話し合いをすることにした。
僕は毎日夜になると母のスナックに行って、母と月奈と話をした。
まるで父と母が離婚してからの15年間の空白を埋めるかのように話は尽きなかった。
僕が裏半球に滞在して7日目が日曜日で、この日は母と月奈の家に招待された。
昼の11時頃来てほしいと言われて母と月奈の家を訪ねたけれど、裏半球の昼11時は真っ暗な夜だ。
母と月奈は賃貸マンションの3階に住んでいて、僕が玄関のインターフォンを鳴らすと月奈が出てきた。
「いらっしゃい、お兄ちゃん!
どうぞ上がって!」
月奈は笑顔で僕を迎え入れてくれた。
時間は昼の11時で、母と月奈が昼食を作ってくれるとのことだった。
「お兄ちゃん、ここに座って少し待っててね!」
僕がダイニングテーブルに座ると母がキッチンから顔を出して、
「陽翔、よく来てくれたわね!
少し待っててちょうだいね!」
と笑顔で僕に言葉をかけてくれた。
月奈が料理を運んできてテーブルに並べてくれた。
全ての料理を運び終えると、母と月奈が僕の対面に並んで座った。
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