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第1話 伊勢神宮と天照大神
皇祖神 天照大神を祀る伊勢神宮の正式名称は、地名を冠しない"神宮"という。
神社に対する社号として"大社"や"権現""天満宮"等が用いられるが、神宮というのは一言で言えば、“皇室と縁(ゆかり)の深い神社”。なかでも、伊勢神宮は別格の存在だった。
伊勢神宮には内宮(ないくう)と外宮(げくう)の大きく2つの社があるが、内宮に祀られるのが皇祖神 天照大神であり、外宮に祀られるのが豊受大神だった。この2 つの社は距離が離れており、全く別の区画を有していた。
そして、伊勢神宮では20年に一度、社殿を作り替える式年遷宮(しきねんせんぐう)が行われる。
皇祖神 天照大神は、その別名を"大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)"という。かの女神は 神世七代の最後の神々イザナギ・イザナミから誕生した三貴神のうちの一柱であるが、他の三貴神であるスサノオと月読のうち、前者との争いでも知られていた。
その荒ぶる神 スサノオとの争いの中で、天照は 特に太陽神としての顔をのぞかせるのだが、そのことを描いた物語の名を「天岩戸」神話と呼ぶ。
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